《MUMEI》 とりあえず席に座る。 …落ち着かない…。 ていうか、何か視線を感じ…。 「やっほー。愛しの愛香ちゃん」 …は? 健太、わざわざ2組まで来たわけ…? もうすぐ最初のHRが始まるっていうのに。 私は健太がふざけているのだと思い、ため息をした。 そして振り向こうとした瞬間。 私はいきなり後ろから抱き着かれた。 …健太じゃない。 何回も健太に抱きしめられて、健太のにおいはなんとなく分かる…。 健太と違うにおいが…。 「ずっと矢崎が邪魔でさ、近づけなかったんだよね〜でも…今年は同じクラスだね」 「ちょっ…離してっ!誰よ、あんたまじで!」 「俺?…矢島拓也っつーの。よろしくね」 …ヤシマタクヤ…あ…。 亜希が気をつけろって言ってた奴…。 前へ |次へ |
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