《MUMEI》

校庭から生えている手は、<言霊>の力が続いているうちには届かないし、触れない。

しかし消えればそうもいかない。

校庭を埋め尽くす手、手、手―。

まるで赤ん坊のように小さな手から、年寄りのような手まで、さまざまな手が自分を引きずり込もうとしている。

そう考えただけで、体中からイヤな汗が出る。

本当は泣き叫びたかった。逃げ出したかった。

怖くて、辛くて―でも逃げたくも無い。

他の四人も同じように頑張っている。

特に自分は他の四人よりも、対抗手段を持っているだけマシなのだ。

「だからっ…泣いてるヒマなんかないのよっ!」

涙目になりながらも、校庭を走る。

レンズには強い気を感知する力を込めた。

実際、惹かれている。

実体に。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫