《MUMEI》

…とは言え。

「やっぱり…怖いものは怖い〜!」

涙目で絶叫しながら、ありえないスピードでダッシュする。

実は神無月、ホラーやオカルトが大の苦手。

しかしうっかり高校入学してすぐ、依琉に見つかってしまい、オカルト研究部に強制入部させられた。

そして一年前の封印の時にも参加はしたのだが、今と同じように絶叫しながら走り回っていた。

「うわ〜ん! 榊部長のばかぁ! 依琉のあほぉ!」

悪口を叫びながら、それでも確実に本体に近付くが…気付くのが少々遅かった。

「ん?」

ぴたっ、と止まる。

レンズが、本体の場所を示している。

その示している場所は………。

神無月はゆっくりと下を見た。

そこは黒い穴。黒い穴の上に、二つの大きな穴がある。そして穴を囲むように、白い影が丸く出来ている。

ちなみに上から見ると、地面に浮かぶ白い顔の口の上に、神無月は立っているように見える。

…と言うよりは、本当に神無月は校庭の手達の本体にたどりついていた。

正確には口の上に。

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