《MUMEI》 5…とは言え。 「やっぱり…怖いものは怖い〜!」 涙目で絶叫しながら、ありえないスピードでダッシュする。 実は神無月、ホラーやオカルトが大の苦手。 しかしうっかり高校入学してすぐ、依琉に見つかってしまい、オカルト研究部に強制入部させられた。 そして一年前の封印の時にも参加はしたのだが、今と同じように絶叫しながら走り回っていた。 「うわ〜ん! 榊部長のばかぁ! 依琉のあほぉ!」 悪口を叫びながら、それでも確実に本体に近付くが…気付くのが少々遅かった。 「ん?」 ぴたっ、と止まる。 レンズが、本体の場所を示している。 その示している場所は………。 神無月はゆっくりと下を見た。 そこは黒い穴。黒い穴の上に、二つの大きな穴がある。そして穴を囲むように、白い影が丸く出来ている。 ちなみに上から見ると、地面に浮かぶ白い顔の口の上に、神無月は立っているように見える。 …と言うよりは、本当に神無月は校庭の手達の本体にたどりついていた。 正確には口の上に。 前へ |次へ |
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