《MUMEI》 4「やっやめっ…んんっ」 抗っても、男女の力の差はある。 次第に力が抜けてしまい、アイツの体に寄りかかってしまう。 「安心しろ。お前が高校を卒業するまで後数ヶ月はこれ以上、しないでおいてやる」 偉そうに…。 「だから抱擁とキスは慣れろ」 「ううっ…」 ぎゅっとヤツの体にしがみついてしまう。 …コイツのフェロモンに、当てられてしまう。 思わず振り回されるのも、良いかな?と考えてしまうほどに、参ってしまう。 強引な口調と態度なのに、優しく頭を撫でてくるところとか…。 不意な優しさは卑怯だ。 心が揺れ動いてしまう。 「それにお前を幸せにできるのは、オレだけだぞ?」 「…その自信はどこから?」 「お前を愛しているからだ」 ……そして惜しげもなく、愛を口に出さないでほしい。 「お前をこんなに愛するのは、世界中探してもオレぐらいなものだ。後はお前がオレを愛するだけ」 「そんなの…いつになるか分からない」 前へ |次へ |
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