《MUMEI》

「やっやめっ…んんっ」

抗っても、男女の力の差はある。

次第に力が抜けてしまい、アイツの体に寄りかかってしまう。

「安心しろ。お前が高校を卒業するまで後数ヶ月はこれ以上、しないでおいてやる」

偉そうに…。

「だから抱擁とキスは慣れろ」

「ううっ…」

ぎゅっとヤツの体にしがみついてしまう。

…コイツのフェロモンに、当てられてしまう。

思わず振り回されるのも、良いかな?と考えてしまうほどに、参ってしまう。

強引な口調と態度なのに、優しく頭を撫でてくるところとか…。

不意な優しさは卑怯だ。

心が揺れ動いてしまう。

「それにお前を幸せにできるのは、オレだけだぞ?」

「…その自信はどこから?」

「お前を愛しているからだ」

……そして惜しげもなく、愛を口に出さないでほしい。

「お前をこんなに愛するのは、世界中探してもオレぐらいなものだ。後はお前がオレを愛するだけ」

「そんなの…いつになるか分からない」

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