《MUMEI》 5「今はまだ、それで良い。だが高校を卒業したら、な?」 イヤらしい目で私を見やがって…。 「とりあえず、オレに愛されることに慣れろ。そうでなければ話にならない」 「う〜う〜う〜」 私は唸りながら、アイツの首筋に顔を埋める。 はっきりと否定したいのに、できないのが悔しい。 「ふっ…。お前は本当に可愛いな」 野性味の溢れた目で見つめられると、そらせない。 今度のキスは、よけなかった。 「安心しろ。大事にしてやる。それにお前の欲しい物は何でも与えてやる」 「う〜…」 「そしてオレを愛せ。まっ、オレに夢中にさせることぐらい、簡単だがな」 やっぱり自意識過剰だ。 「…私はそんなに簡単にはいかないぞ?」 言葉とは裏腹に、声に力はない。 「その方が楽しめて良い。お前となら、死ぬまで退屈せずに済みそうだ」 「強引な男め」 「褒め言葉と受け取っておくさ」 そしてまた、熱いキスをしてくる。 そう―身も心もとろけてしまうぐらいの、熱くて甘いキスを…。 前へ |
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