《MUMEI》
女同士
 
 
 
次の日の朝、家を出ると家の前に佐野さんが立っていた。

「おはよう」

「え?…お、おはよう」

僕はびっくりして、間抜けな声を出してしまった。

「眞季ちゃん家ってうちの近所だったんだね、近いから迎えに来ちゃった…。一緒に学校行こ?」

佐野さんが無邪気な笑顔で言う。
僕は断り切れず、そのまま手を引かれて学校に向かった。


それから佐野さんは、当たり前のように朝も休み時間も、お昼も帰りも僕を迎えに来て、常に僕といるようになった。








本当だったら、陽菜と一緒にいる筈なのに……。





疲れた……。










僕は家に帰ると制服のまま、倒れ込むようにしてベッドに横になった。
女の子同士の友達って、みんなこんな感じなんだろうか…。

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