《MUMEI》 相談…──ある日の放課後、佐野さんにしか話せない大事な話がある、そう言って陽菜は佐野さんを僕の家に呼んだ。 「眞季ちゃんの部屋って初めて入ったけど、すごい殺風景なんだね…なんだか眞季ちゃんらしいけど」 僕の部屋に入ると佐野さんは、部屋を見渡しながら言った。 「それでね、話なんだけど……」 話を切り出した陽菜を佐野さんは、真剣な表情で見詰めた。 「佐野さんは、この子のこと好き?」 僕の腕を掴んだ陽菜は、そう聞いた。 「好きに決まってるでしょ?眞季ちゃんも陽菜ちゃんも大事な友達だもん、二人とも大好きだよ?」 佐野さんは、なんの疑いもなく笑顔で答えた。 「そう…、ありがとう。じゃあ大丈夫かなぁ…」 佐野さんは陽菜が、悩むフリをしてるだけだとも知らず、心配そうに陽菜が話し出すのを待っている。 「驚くかも知れないけど、落ち着いて聞いてね?」 「……うん」 陽菜は僕の方を、ちらっと見ると言った。 「この子をね…男にして欲しいの…」 「え?」 佐野さんはきょとんとした顔で、僕と陽菜を見た。 「この子ね……本当は男の子なの」 陽菜の言葉に佐野さんが、引きつった笑みを見せた。 無理もないと思う。 今まで女だと思って信じてた奴が、急に男だって言われても…。 僕だって同じ反応をするだろう。 「え?……意味分かんないよ」 「そうだよね…。口で説明するより見た方が早いよね」 そう言うと陽菜は、僕の後ろに回って抱き締めるようにして、スカートを捲った。 背中に当たる陽菜の柔らかい胸の感触が、僕の下半身を熱くさせ、硬くさせた。 佐野さんは、驚いた様子で固まっている。 「この子ね、自分のこと男だと思ってないの…。小さい頃からなんだけど…だから、あたし…心配で……」 佐野さんが僕の顔を見た。 「子供の頃から一緒にいた大切な友達だから…将来とか考えたら心配だし、どうしても男にしてあげたくて何回か頑張ったんだけど、あたしじゃダメみたいで…」 「でも、あたしなんかじゃ…」 「ううん、そんなことない。今だって佐野さんに見られた途端…ほら…」 陽菜が硬くなった僕のものを撫でた。 「だから…お願い、佐野さんしかいないの」 佐野さんは暫く考えて言った。 「…どうしたら……いいの?」 「簡単だよ、女の体を経験させてあげればいいの…佐野さん経験は?」 「……まだ」 「この子が初めての相手じゃ嫌?」 そう聞かれると佐野さんは、少し悩んだようにしてから首を横に振った。 前へ |次へ |
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