《MUMEI》

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その中で、目についたものがあった。


表題は、《ヤラセです》だった。

そのレビュー本文のページを開いて驚いた。



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《写り込む女》、ぶっちゃけこれ、ヤラセです。デマです。

オレもこの動画見ました。都市伝説も知ってたから、マジやべーとか思ってたんだけど、女は出てこないまま1週間が経過。もちろん自殺もしてません。

動画を見てから今日でちょうど1ヶ月になるけど、俺は未だにピンピンしてます。

死人が出てるとかカキコあるけど、偶然だったんじゃないかな?

ま、しょせん都市伝説だったってことで、めでたし!



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デマ?

俺は眉をひそめた。そんなバカな、だって俺は見えた。間違いなく女が俺のすぐそばに佇んでいた。

しばらくレビューを確認していくと、もうひとつ気になるものが見つかった。



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こんばんは!
何やら《写り込む女》で物騒な書き込みがたくさんありますが、みなさーん!安心して!デマですよー!!

確かに動画には女が写ってるけど、あんなの今の技術なら簡単に作れちゃうし、画像荒すぎなのも怪しいし。
絶対ウソ画像だよ、あれ。

あたしもバッチリ見ましたけど、平穏無事に1週間を過ごしましたー。結局女も出てこないし、今日も元気に働いてまーす。
都市伝説に勝ったあたし、スゴい!


つーか、こんなくだらないウワサに振り回されてないで、みんな働けww



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これ等以外にも似たような書き込みがたくさんあった。彼らはみんな、《写り込む女》の姿を見ず、1週間が過ぎても生きているという。


どういうことだ?


「ネットの書き込みだからどこまでが真実か図れないけれど、このレビューを読んで考えたの。そしてわかったのよ」

そこまで言って、憂は俺の顔をじっと見つめる。

「あなたは見えるのよね?」

俺は頷いた。

「夕べも見たよ」

「ずるいわ、あなたばっかり」

ここでそう返すか、と半ば呆れると、憂は、とにかく…と声を改める。

「問題は女が見えるか見えないかにかかっているのよ」



見えるか、見えないか?


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