《MUMEI》 「あ、授業終わる〜♪愛香っち、また健太くんとこ行くの?」 「まあね〜。行かないとアイツ寂しがるからさ」 この前、ずっと梨華子と話してたらめちゃくちゃ拗ねてたし。 ちょっと子供っぽいとこあるんだよなあ。 まあ健太らしいけど。 チャイムが鳴り、私はいつものように席を立つ。 するといきなり、奴、矢島拓也に腕を捕まれた。 「俺も一緒に行っていー?」 「は?何言ってんの?無理に決まってんじゃん」 「何で?俺ら、別にやましいことないじゃん?もしかして、愛香ちゃん、俺のこと好きになっちゃったー?」 こいつ、むっかつく。 …っていうか、ウザいっていうか、めんどくさ…。 あれ?何か…。 「拓也行ってらっしゃ〜い」 「は!?まだ行っていいなんて言ってないんだけど…」 「6組だろ?アイツ」 前へ |次へ |
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