《MUMEI》 6「ぎっ…いやあああああ!」 再び絶叫、しかしここから逃げることはできない。 口はそのまま神無月を飲み込もうと、引きずり込むように蠢き出す。 「ううっ…」 イヤイヤながらも、レンズを本体の両目に写す。 ―私を見なさい― びくっ、と本体が動いた。 黒い穴に、赤い光が浮かび上がる。 その間も神無月の体はズブズブと穴に飲み込まれていく。 だが暴れるワケにも逃げるワケにもいかない。 このまま本体の眼をレンズに移し続けなければ。 やがて、本体の両目がレンズ越しに神無月を見た。 そこでレンズが白く光った。 「吸引っ!」 神無月が叫ぶと、本体が地面からベリベリ剥がれ始めた。 ぐおおおおお! 大気が揺れる。 前へ |次へ |
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