《MUMEI》 7しかし本体の両目はレンズに合わせられたまま、ずらせない。 本体は地面から完全に剥がれ、そのままレンズに引きずり込まれた。 「うっ!」 倒れ込みそうになるのを、神無月は踏ん張った。 ここで倒れるわけにもいかない。 本体が全て吸い込まれた後、神無月はその場に座り込んだ。 もう校庭には手は無い。 静かな、いつもの校庭だ。 神無月は震える手でレンズを一枚外した。 白いレンズには本体の顔が映っている。 「こっこの封印の方法は、何とかならないのかしら…」 ぐったりした顔で、神無月は制服のポケットからカードファイルを取り出し、そこにレンズを入れた。 「これで私のは終わり。早く九曜の所に行かなゃ…」 ふらつく体を何とか立ち上げ、神無月は歩き出した。 前へ |次へ |
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