《MUMEI》 校庭の怪談この学院には、将来を有望視された生徒がたくさんいる。 運動部の生徒達は、学院からスカウトされて入学した生徒が多い。 そのせいかいつも緊張感に満ちていた。 切磋琢磨していた生徒達の中には、邪心を持った生徒もいた。 やがてその心は、行為として現われ始めた。 ライバル達を卑怯なワザでおとし入れ始めた。 将来を絶たれた生徒の中には、自ら命を絶つ者もいた。 やがてその生徒のことが周囲に知られ、話を聞こうと教師達が動き出した時には…。 すでにその生徒は自ら命を絶っていた。 屋上から校庭へ飛び降り自殺をして。 しかし飛び降りる寸前から、その生徒は笑っていた。死に顔もまた、笑顔だった。 5階建ての屋上から飛び降りた生徒の体はバラバラに散らばり、校庭を血に染め上げた。 その血は広がり、黒き影となった。 学院の土地の力により、影は力を持ち、生徒を襲い始めた。 この学院の校庭には、運動に全てをかけた生徒達の思念が溜まっている。 熱気よりも邪気の方が濃くなってしまい、校庭で練習をしている生徒にケガをさせ始めたのだ。 校庭から伸びている黒い手は、何人もの生徒に目撃されている。 そして手の本体は―飛び降り自殺した生徒。 その生徒は校庭にいる生徒達の邪気を吸い、増殖し続けた。 やがて、その事実に気付いた当時のオカルト研究部がその影を封印した。 そして校庭でケガをする生徒はいなくなった。 前へ |次へ |
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