《MUMEI》 2封印を解いてすぐ、依琉は外のプールに向かった。 高等部には、校庭近くの外と建物の中のプール、二つのプールが存在する。 しかし封印が施されたのは、外のプール。 建物の中のプールは近年、水泳部が活躍した功績として建てられたものだった。 ゆえに外のプールの方が歴史は長い。 依琉がプールの敷地内に入ると、それまでただのプールの水が赤みをおびた。 そしてうねり、動き出す。 やがてスライムのようにその形を変え、依琉に襲い掛かってきた。 時には津波に、水の刃になり、依琉を取り込もうとするも、ことごとくかわされた。 「やれやれ…。逃げるのも疲れるもんだね」 欠伸と共にのん気に言った依琉は、<千里眼>を発動させ、スライムの本体を見つけた。 前へ |次へ |
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