《MUMEI》

わたしが彼と何かをする時、いつもわたしの方から言い出す。

「ねぇ、キスして」

「ああ」

彼は優しくわたしを抱き締めて、ゆっくりと甘いキスをしてくれる。

「んっ…。次はぎゅっと抱き締めて」

「分かった」

そしてわたしが言った通り、ぎゅっと抱き締めてくれる。

するとわたしの心の中は、春のようにポカポカとあたたかくなる。

それはわたしが彼を好きな、何よりの証拠。

だけど…彼の心が分からない。

高校に入学してすぐ、わたしと彼は学級委員長に選ばれた。

理由はお互い、良い成績で入学したからだ。

でもその時は特に意識なんてしていなかった。

けれど一緒に過ごしているうちに、もっと一緒にいたいと思った。

だから二年に上がる前、つまり学級委員長を終わる前に、彼にわたしから告白した。

「あの、ね。わたし、貴方のことが好きなの。恋人になってくれる?」

…今思い出しても恥ずかしい。

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