《MUMEI》

「イヤなことって?」

「例えばその…デートコースで行きたくない場所とか」

「別にない」

「わたしが言い出したことに不満がある時とか…」

「特にない」

…否定されるのは嬉しいことのはずなのに、何で気持ちは沈んでいくんだろう?

なのでじぃ〜っと彼を見つめる。

「じゃああなたって何がイヤなの?」

「キミが他の男に取られるのがイヤだ」

ボッ!と全身が一気に熱くなった!

そっそう言うことを真顔で言われると、心臓に悪い…。

「それ以外のことだったら、特に何も不満はないよ」

「ほっホントに?」

「うん。それにキミと俺の趣味って近いから。俺の行きたい所はキミの行きたい所だし、したいことは俺もしたいことだから」

「…こういう放課後、誰もいない教室でキスすることも?」

「二人っきりなら、俺はいつでもキミに触れていたい」

ぐはっ!?

だっだから真顔で言わないで…。

真剣さが物凄く伝わってくるから。

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