《MUMEI》 4「イヤなことって?」 「例えばその…デートコースで行きたくない場所とか」 「別にない」 「わたしが言い出したことに不満がある時とか…」 「特にない」 …否定されるのは嬉しいことのはずなのに、何で気持ちは沈んでいくんだろう? なのでじぃ〜っと彼を見つめる。 「じゃああなたって何がイヤなの?」 「キミが他の男に取られるのがイヤだ」 ボッ!と全身が一気に熱くなった! そっそう言うことを真顔で言われると、心臓に悪い…。 「それ以外のことだったら、特に何も不満はないよ」 「ほっホントに?」 「うん。それにキミと俺の趣味って近いから。俺の行きたい所はキミの行きたい所だし、したいことは俺もしたいことだから」 「…こういう放課後、誰もいない教室でキスすることも?」 「二人っきりなら、俺はいつでもキミに触れていたい」 ぐはっ!? だっだから真顔で言わないで…。 真剣さが物凄く伝わってくるから。 前へ |次へ |
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