《MUMEI》 5「…も、良いわ」 結局、彼は無理やりわたしに合わせていたワケではないことが分かっただけでも、良いだろう。 それに…ちゃんと愛されていることも分かったし。 「他に何か、聞きたいことはある?」 「ん〜そうね」 わたしは真っ直ぐに彼の眼を見た。 少し…楽しそうな感じがする。 だからわたしもニッと笑った。 「わたしのこと、好き?」 「ああ、好きだよ」 分かりきっている答えに、心は安堵する。 「じゃあ今度から、キスしたくなったら言って? わたしだって、いっぱいあなたに触れていたいもの」 そう言ってさっきよりも強く、彼に抱き着いた。 「…分かった。それじゃあ、キスして良い?」 早速か。でも彼の顔が僅かに赤い。 「んっ。良いよ」 わたしは背伸びをして、彼とキスをした。 だってわたしも今、彼とキスしたいと思ったから…。 冷静なように見えて、わたしのことでいっぱいな彼と。 前へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |