《MUMEI》

亜希はもう彰一筋だから心配ないけど…百合はなあ…。

絶対に無理だろな。


「私は健太だけだよ」

「…愛香っち…意外と一途なんだね。かるそうなのに」

「失礼な…」


てか私、そんな二股とかしたことないから。

かるそうだなんて…失礼だわ。

百合にかるそうなんて言われたくない。


「てか百合はさあ…私のこと助けてあげようとか思わないわけ?健太いるんだからさ」

「…何故何故?だって拓也も友達なんだもーん」


この子も馬鹿なのかしら…。

絶対に矢島を止めて違う人を好きになってもらった方が、みんな幸せになるじゃん。

私の周りには馬鹿ばっかりで困るわ…。


ため息をつき、私は百合を置いてトイレを出た。

百合は慌てて出てきたけど私は百合をスルーした。

…これは…私でどうにかしなくちゃいけないのか…。

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