《MUMEI》

―――… ツ ウ ゥ ゥ …。



私の周りを飛ぶ“虫”は、相変わらず一定の間隔を置いて私の視野を横切ってゆく。



その虫が見る視界は、そのままドラミちゃんの目となり耳となって私を監視している筈――…



*出来杉『さすがは キラ様…(笑)


…そこまで解ってるのなら、わざわざ話す必要も無いか…。(笑)』



ドラミちゃんは、私と出来杉さんが心の声で会話してることなど思ってもみないでしょうね…。



しずか『うふ…。あとは任せて頂戴。』



私は、口元から笑みを溢さないことだけ気をつけて、出来杉さんに伝えたのよ。

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