《MUMEI》

翌日、人魚の蜂蜜を、買い足しに町へと足を運んだ。

町は灰色で、フイリプは息苦しさに、立ち眩みを起こしたが、良質な物を、予め予約しておいたので、迅速に購入出来た。

悠々と町中を、歩き、途中、ショウインドウの中に、蜜色に輝く、金のブロオチを、見付けたので、手土産にした。

 蜂蜜と色合いが、類似しているので、人魚は気に入るに違いない、と一人ほくそ笑んだ。

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