《MUMEI》 夜もう夜だ、1日が早く終ったような気がする。 「パパ、明日幼稚園だからもう寝るよ。」と翔君が階段をのぼり始めた。 「おやすみ〜、良く寝るんだよ。」と純さんは言いながら翔君を見送った。 さて、いつ純さんを殺そうか・・・? 今か?、でも今は早すぎるような気がした。 それは何故かと言うと、今日この家に初めて来たから。 初めて来た日の1日目に殺すのはまだ早すぎる、と私は心の中で思った。 「純さん、まだ寝ないんですか?」と私は純さんに聞いた。 「そうですね・・・、いつも23時頃に寝ていますね。」と純さんは言った。 「えぇ!?、そんな遅くに寝るんですか?」と私は驚愕した顔で純さんに聞いた。 「子供が寝てからが俺の時間ですからね。」と純さんが言った。 「そんな遅くまで何をしてるんですか?」と私は気になったから聞いてみた。 「あ、うーん・・・、テレビ見たり、本を読んだり・・・、色々ですね。」と純さんは答えてくれた。 「大変ですね。」と私は笑いながら言った。 「そうですね・・・。」と純さんも笑いながら言った。 それっきり純さんとは話さなかった。 私も黙っていたし、純さんは本を読んでたから。 もちろん私は考え事をしていた。 どうやって殺すか決める為に。 いつ、どこで殺すか未だに決まっていない。 早く考えて殺さないと・・・。 あまり、長くもここにいるわけにもいかないし・・・。 本当にどうしようか・・・? でも、ナイフで刺し殺すのはもう決めていた。 毒とかそう言うので殺すより、やっぱり自分で殺す方が楽しいかと思って。 翔君を殺すつもりは無い。 私は純さんだけ殺す―。 私を殺した純さんを―。 前へ |次へ |
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