《MUMEI》

「なんか意地悪されたらいっぱい感じちゃった」



「とか言いながら握るの止めなさい」





俺の股間から裕斗の手を振り払う。


全く…隙があれば握ってくるんだから…。


「けちィッ!」

裕斗のぷぅうっと膨らんだ頬をプシュっと潰す。



「ばーか、あげるモンがあんだよ」

チュッと音をたてて白い頬にキスしてから俺は起き上がり、事前に用意していた小さな袋を裕斗の手元に置いた。





「おめでとう、裕斗」


裕斗に背を向け俺は煙草に火をつけた。






「ありがとーう、うわ〜!なんだろ?」

裕斗は起き上がり袋をガサガサと開け始めた。


「気にいってくれっといーんだけどよ、俺ブランド興味ねーからよくわかんなくてよー」









「…、秀幸」



「ん?」

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