《MUMEI》 ―――… ツ ウ ゥ ゥ …。 私の周りを飛ぶ“虫”は、私の視野を相変わらず目障りに横切っていたわ。 その虫の眼を通して、ドラミちゃんは私を見てる筈――… 私はそんな彼女に対して密やかに毒を吐く…。 ――…ドラミちゃん… ――…アナタが私に辿り着くのが先か… ――…それとも私がアナタを消すのが先か… ――… 勝 負 よ ! 殺気を押し殺した目で見つめる先には『骨川』と書かれた立派な大理石の表札が掲げられている。 その隣にはインターホンのボタンがあったの。 私は“スパイ衛星”に気付いていない振りをして、そのボタンに手を伸ばしたのよ――…。 前へ |次へ |
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