《MUMEI》 散るモノ、散らぬ華ビキビキ・・ 「次はどう避ける?もうガントレットは使えない。」 ゴトン・・ その言葉と同時、ジュレイドのガントレットが床に落ちる。表面には幾筋も亀裂が走り、砕けていた。 バキン!! 落ちたガントレットガ砕け散る、銀色の華が散るように・・ 「・・・ふざけた武器だな、だけどな・・当たらなけりゃ意味は無いんだろうが!」 「その通り、避けることができるなら避けてみればいい。」 ガンガンガン!! 連射されるブラッドバレル・レプリカ。 「ふ!!」 短い呼気、銃身の向いている方向から予測した弾道、ホークアイによって強化された動体視力のなかでゆっくりと進む銃弾を視ながら回避が成功したと判断し、エミへと突撃する。 リボルバー型、総弾数は簡単に判断できる、シリンダーが一周すれば残弾はゼロ。放った三連射でシリンダーは一周した。 「死ね!」 左の拳がエミへと暴風を纏いながら突き出される・・ ガン! ブラッドバレル・レプリカから銃弾が放たれる。 正確に左腕を捕らえ、 シュゥゥゥゥ・・ 血の華が咲く。 ジュレイドの左肘から先が散り、血が降り注ぐ。 近距離に居るエミの体にも血が降り注ぎ、紅く染まっていく。 「があああああああ!!!!!」 呻き声を上げながら右肩が抉れているため力の入らない右の拳を強引に叩きつけようとするが・・ ガン! 容赦なく銃弾が放たれ、右腕も飛び散る。 ガンガン! 続けて放たれた銃弾は両足を飛び散らせた。 「・・弾は切れてるはずだろ・・なんで・・」 息も絶え絶えにエミに問いかける。 「この銃は・・血を銃弾として放つ。私の体内に血が残っていればいくらでも撃つことはできる。」 ジュレイドを見下ろすエミの顔は血で染まり、凄惨な表情。髪からも血が雫となって床に落ちていく。 「・・・悔い改めなさい。」 キュゥゥゥゥゥ・・ ブラッドバレル・レプリカの銃身に魔力が満ちていく。 「はは・・俺は、俺の信念で動いてた。悔い改める事なんかあるワケナイだろ!!」 「・・肉片も残さず、飛び散り、冥府へと逝け・・」 ボッ! 放たれた弾丸がジュレイドの体に着弾、その力を解き放つ。 バシャァァアア・・ 骨の欠片すら残さず、血の華と散る。 「・・・本当に、嫌な仕事だよ・・」 ジュレイドの血を全身に浴びながら小さく呟くエミの眼からは血ではない透明な液体が二筋流れて床に落ち、血と混じって消えていった。 (服・・汚れちゃったな〜・・洗うの大変なんだから・・ジュレイドのバカ〜・・・) 前へ |次へ |
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