《MUMEI》

梅雨も終わりを迎えようとしている6月の終わり頃。


「安倍莉奈と矢崎が話してるの見たよ」


いきなりそんなことを矢島に言われた。


「…はあ!?それ、いつ!?てか何であの子のこと…」

「有名じゃん、安倍莉奈。一週間前くらいじゃねぇかな〜」


…早く言えよ。

てか、安倍莉奈と話したなんて…健太は一度も…。


「…愛香ちゃん、矢崎浮気じゃね?」

「健太はそんなことしない」

「愛香ちゃんも俺と浮気する?」


こいつ、一回殴ろうかな。

そうしないと、自分がどれだけ馬鹿言ってるのかいつまで経っても分からないし。


思いっきり睨んでやったけど、奴は普通に笑ってる。

いつものように怪しく。

…何でこういう時に限って百合は今日学校にいないんだろ。


矢島ってほんと疲れるんだけど。

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