《MUMEI》





「こりゃ〜なんなんだ…」


「ん?なにがあ?」


自慢の!自慢の鏡に囲まれた風呂が…




「…何をした」



「だから牛乳風呂にして〜、蜂蜜入れたの」


バンバンバンッ!



「違うッッ!!この汚れ方は一体なんなんでしょうかあッ!」

俺は牛乳で汚れまくった鏡を叩いた。



「あ〜!フフッ!風呂広いからバタ足バシャバシャしたのっ!ね〜?バタ足する俺可愛いよ?見る?」


―――鏡全面、牛乳の白い筋だらけ…。


しかも空の牛乳パックと蜂蜜の容器が床に置きっぱなし。


――よくみりゃー、蜂蜜があちこち床に垂れている…。



「…」



「バッシャバシャしよ〜っ!」

裕斗は汚れた身体のまま浴槽に勢いよくジャポンッと入り…


「温くなっちゃったや、ちょっと追い炊きい〜」

「なっ!コラッ!」


俺は裕斗がスイッチを押す寸前で裕斗の手首を掴んだ。


「馬鹿っ!風呂窯壊れるッ!追い炊きじゃねーで熱い湯だしやがれッ!」


俺はそう言いながら蛇口を捻り熱い湯を出しだした。



「もう秀幸は神経質なんだから」


「…はあ…」



「じゃあリクエストにお答えしてゆうちゃんのバシャバシャを…」




「するなっ!せんでいいッ!ド阿呆ッ!」











その後二人で風呂場を掃除しまくった。

それにしても牛乳の汚れは意外に頑固で…








本日は伊藤家に家訓が二つ誕生しました。










その1






牛乳風呂はやらない。





その2







浴槽でバシャバシャ暴れない…。

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