《MUMEI》

拓也は私に手招きしながら、店長の後を追う。

レジにいた店員さんに一応挨拶をした。

…気まずいな、何か。


「そっちの可愛い女の子、名前は?」

「あ、山崎愛香です…。ほんといきなりすみません…」

「超可愛いっしょ、店長!今年、クラス一緒になった子!」


もう、超恥ずかしい。

店長さんは笑ってくれてるけど、私こういうの苦手。

意外と人見知りだったりするのかな、私…。


店長さんはさっきみたいに、笑いながら引き出しから何かを取り出す。

よく見るとそれは履歴書で。

…なんだ。

この場で書くんだ。


「…じゃあ、二人ともいつから入れるかな?」


…えっ?

私は思わず店長をガン見してしまった。


もう、そんなぶっ飛んだ話するの?

早くない?

採用の方向…ですかね…。

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