《MUMEI》 距離佐野さんで陽菜を感じ、それがだんだん現実だと錯覚し始めたとき、陽菜が本当の現実に僕を呼び戻した。 「佐野さん、上に乗ってソレ…挿れてあげて?」 「……わかった」 佐野さんは、ゆっくり頷くと僕の上に跨った。 そして硬くなった僕自身を掴んで、ゆっくり腰を落としていく。 「ん……ッ!」 苦しそうに顔を歪ませながら、 ゆっくりと僕のモノを包んでいく。 口に含まれたときと同じ感覚が僕を襲った。 全体が熱いモノに覆われていく…。 「い、たい……痛ぁいッ!!」 佐野さんは、涙を流して叫んだ。 僕のモノを何度も締め付けながら…。 「大丈……夫?」 佐野さんがあまりに痛がるから僕も、流石に心配になって聞いた。 すると佐野さんは、弱々しく微笑んだ。 「平…気……だよ、慣れるまで、待ってて、ね?」 そんな佐野さんを見ていると、 佐野さんをいじめている女の子の気持ちが、なんとなくわかるような気がした。 佐野さんは、いい人すぎるんだ…。 素直で健気で…そんな人間を見ていると、人は汚したくなるんだろう…。 きっと、愛情の裏返しなんだ。 ──…陽菜も…そうなんだろうか…。 陽菜も本当は、僕のことが好きなんだろうか……ただ、汚したいだけなんだろうか…。 それとも、僕に処女を捧げる前に、僕に女の躯を知っておいて欲しいとか…? 暫くすると佐野さんが、ゆっくり上下運動を始めた。 相変わらず苦しそうな表情だけど、動いてるってことは少しマシになったんだろうか…。 「んっ…きもち、い?眞季ちゃん、気持ちいい?」 吐息混じりの声で、僕に問いかける。 根元から先の方へと吸われていくような感覚に、堪らず僕も腰を動かした。 「ひぁッ…!あっ…」 僕が腰を動かす度に、佐野さんは甲高い声をあげ、更に強く僕のモノを締め付けた。 その締め付けに我慢できず、僕はそのまま佐野さんの中に果ててしまった。 佐野さんも疲れたらしく、そのまま床に倒れ込んだ。 丸見えのままになった女性器からは、僕が出した白い体液が溢れ出てきた。 (経験したんだ…。) 僕は仰向けになったまま、思った。 (もう童貞じゃない…、これで陽菜も安心してくれる) 僕はなんだか陽菜に、少し近付けた気がして嬉しかった。 前へ |次へ |
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