《MUMEI》
a crashing blow
     観客席



「しかしまぁ…」



「あぁ…」



「良い試合しやがる…」
















………………………………



時間は経過していた。


現在、スコアは22対19。


時間は19分55秒。


ここまでの時間、


互いに得点を譲らず、


3点差というスコアは止まり守られ続けた。


秀皇にもまだ十分な勝機はあり、


そのチャンスを今か今かと待ち続ける。


残り時間は正に体力と精神力との戦い。


より強靱な体力と精神力を持ったチームが、


この試合の勝者となることは疑う余地もない。



………………………………














    赤高ベンチ



「…よくやった。」



「え?」



試合時間が残り10分を切った頃、


クロは動き出す。



「この点差を守り抜いて欲しかった。」



「…」



「ようやく…」



「行くのか…?」



「はい。…勝負に出れます。」



(十分な勝機を持って…ね。)

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