《MUMEI》 「はぁ…はぁ…」 (もう…どれくらい経つ…?) 「はぁ…はぁ…」 (6分…いや…7分くらいか…?) ボールは秀皇。 コート中央に集まるその姿からは明らかな疲弊が伺えた。 赤高のオールコートマンツーが始まり約7分。 動き回ることでこのディフェンスの攻略を試みた彼らの策は功を奏し、 見事に得点を重ねることに成功した。 が、 それもそろそろ限界。 今日2戦目となる彼らには、 もはや体力という体力は残っていない。 しかし、 今日2戦目で尚且つ走り続けているのは赤高も同じ。 「はぁ…はぁ…」 それまではっきりとは見えていなかった疲労の色が、 とうとう彼らからも見え始める。 「はぁ…はぁ…」 チラッ… 時計を確認するユキヒロ。 (10分…切ったか…) ユキヒロは視線をベンチへと移し、 クロの表情を確認する。 コクンッ… 何か言葉を発するわけでもなく、 クロはユキヒロに向け頷きを見せる。 「はぁ…はぁ…」 (…了解。) 赤高、 全員の視線がユキヒロへと集まる。 「ディフェンスッ!!セット戻すぞッ!!」 「はぁ…はぁ…おぅッ!!」 「………?」 試合は新たな動きを見せる。 (…解放か。助かった。) 試合終了まで残り10分を切った頃、 赤高のディフェンスはオールコートマンツーから通常のディフェンスへと形が戻る。 (よくまぁ…あんな時間走り回ったもんだ…) 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |