《MUMEI》

そして私たちはコンビニでバイトすることになって。

"夜はちゃんと家まで送るから"とまで、拓也は言ってくれた。


前まであんな印象悪かったのに、どんどん良くなっていく。


…健太は…今、どう感じてるのかな、私たちの距離感。

気にしてないのかな?

時々見るもん。

安倍莉奈と話してる健太を。

私なんかより、あの子のがいいのかな。

誰だって、素直で可愛い子のがいいよね。

私みたいな奴、めんどくさいだろうし。


…何か自分でそう思えば思うほど悲しくなってきた。

あんなにお互いしか見えてなかった私たちはどこへ行ってしまったんだろう。


"好きだよ"

毎日聞いていた気がする。

それが当たり前だったから、こうなってしまったの?


…分からないよ。

私たちは…どこへ向かってしまうんだろう。

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