《MUMEI》 ―授業中。 真っ昼間からの英語の授業なんか頭に入らない。 ノートを移す作業を放棄して、紗稀はグランドに視線を移した。 窓ガラスに反射する光が、眩しい。 体育の授業を受けているのは、隣のクラスだ。 なかには侑理と志栞も居る。 目を細めて、それをぼんやりと見つめていると―。 後ろの席の女の子から背中を トントンと叩かれた。 前へ |次へ |
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