《MUMEI》

――…ギリリィッ… ピキピキッ!…



私は拳に渾身の握力をかけて“虫”を握り潰したの!



*リューク『お!?…モニターが砂嵐になったぞ!


…どうなってるんだ?』



リュークは、突然の見せ物の終幕に、つまらなそうに文句を言ってたわ。



その不然とした文句は、逆に私に安堵をもたらしたのよ。



やがて私は、ゆっくりと拳を開き、汗ばんだ掌を見つめる――…



そこには無惨に握り潰された、スパイ衛星の残骸が汗とともに貼り付いていたの――…!

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