《MUMEI》 ―捻挫した左足は今もガクガクと震えている。 「お前、捻挫してんのに先生が雑用また頼んだんだろう?―それで心配になったんだ―」 紗稀の頭をポンと撫で、いつものように優しく笑う。 「それ、部活でやったの?」 山瀬くんがぐるぐる巻きの包帯 を見て唖然とする。 「うん」 「ドジ」 同時に開いた口。重なった言葉。 まるで、紗稀の言うことが分かっていたような、山瀬くん。 「‥‥何だそれ!」 「それはこっちのセリフ!」 おかしくって‥‥思わずふたりで吹き出した。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |