《MUMEI》 “モテないよ” ―この人は何、言ってんだろう。 あんだけクラスの女子に騒がれて おまけに呼び出されて きっと告白されてるだろう。 ‥‥きっと、鈍感なんだろうと思った。 「俺さ―」 さっきまで下を向いていた山瀬くんと視線が重なる。 ゆっくりと開く、彼の口。 「自分が大っ嫌いなんだ」 「‥‥え?」 夕日に照らされて体中がオレンジに染まる。 “自分が大っ嫌い” それはまるで―ずっと山瀬くんが言いたかった言葉―。 紗稀はそんな風に思った‥‥。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |