《MUMEI》 ―キーンコーンカーンコーン。 学校中にいつものチャイムが 鳴り響く。 山瀬くんが静寂を打ち破って 口を開いた。 「ありがとな‥‥」 ―優しい笑顔を浮かべたかと思ったら、急に照れたような笑顔。 そして、ひとこと。 「‥‥紗稀‥‥」 ―ドキッ。 だんだんと紗稀の頬が熱くなるのが分かる。 ‥‥名前で呼んでくれた? 前へ |次へ |
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