《MUMEI》 「…隣座るよ?」 「うん…」 そんな確認…したりしなかったのにね。 付き合ってるんだから。 しばらくの沈黙。 蝉の鳴き声だけが公園に響く。 そしてその沈黙をやぶったのは健太だった。 「…愛香…」 「あ…な…何?」 やばい。動揺しちゃってる。 様子が可笑しいって、ばれちゃうよ…。 「…俺のこと…好きか?」 「好きだよ。何でそんなこと聞くの…?」 「…ふーん」 …何それ。 ほんとに…嫌だな…この分かりやすい距離のあき方…。 見れないよ…健太の方。 どんな顔したらいいのか分からないよ…。 ねぇ、健太…。 健太は何でいきなり私のこと呼んだの? 今何を考えてるの? …健太こそ…今でも…私のこと好きなの? 前へ |次へ |
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