《MUMEI》

水槽と机の隙間から書物を引っ掛け、梃子の原理で、床へと落下させたのだ。

勢いよく床へと叩きつけられた水槽は、ばらばらと散らばる。

鋭利に、飛来した破片は、羽根のように広がってゆく。

硝子、宝石、工芸品は、光の角度で刹那に煌めいた。

一秒も無かったであろう事だが、まるで長い長い観劇のような出来事だった。

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