《MUMEI》

【TRIGUN】


※無印かマキシマムかは分からないけど、旅の途中辺り。
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長い砂漠を抜けてやっと数日ぶりに見た町の中で宿を探しながら歩いていると、砂埃だらけの僕らを見てすれ違ったおばちゃんが笑いながら『こんな町へようこそ』って言ってくれた。

「いい町みたいだね」
「…そうかぁ?ワシにゃあヤバそうな町にしか見えへんけど」

そう言ってウルフウッドが指さした先には、道ばたで寝てる人の周りにネズミがウロウロしている様子が見えた。


「何やねん、あいつら怪訝な顔しくさってからに…」
「しょうがないよ、僕らこんなに汚いからね…やっぱり先にさっき教えてもらった宿に行ってた方がよかったかなぁ」

ウルフウッドがさっそく『腹減った、あかん死にそうや〜』とか言ったから先に食堂に行く事にしたんだけど、それにしてもよくこんな汚い二人組を入店拒否しなかったなぁ。

ウルフウッドなんか食事中なのに派手に鼻をかむし、そりゃまぁ砂漠の中を歩いてきたから仕方ないんだけど。

やっぱりこの町の人達はいい人達なんだよ。


「男二人で…」
「同じ部屋だね…」

宿のおばちゃんにそのまま通されたのは、少々埃っぽいもののベッドが二つある二人一組の部屋だった。

「他の部屋ねぇか聞いてくるわ…」
「あ、他は倉庫になってたりシューティング後だから開いてないって言ってたじゃんか」
「……」

それを聞くと部屋から出ようとしていたウルフウッドはドアの前で立ち止まり、踵を返して床に荷物を置くとそのままベッドに寝転がってしまった。

「まぁいいじゃないか、ベッドは違うんだし」
「…チッ」

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