《MUMEI》

恋人のように腕を組んで俺にくっついてるロロの髪が俺の頬をくすぐる。

カフェテリアから差し込む日の光で柔らかな髪が金糸のように輝いていて、まるでナナリーのようだった。

…ナナリーが元気だったら、ロロのように飛んだり跳ねたりしていたんだろうな…。


ロロと一緒にカフェテリアを後にする、本当はロロが俺についてきてるだけなんだが。

俺が進むとロロも進む、俺が止まるとロロは俺に抱きついてきてくる、まるで飼い主を慕い過ぎているペットの子犬のようだった。

「来い、ロロ」
「はい///」

そう言って俺から手を伸ばしてロロの手を握ると、人の居なさそうな場所に連れ込んだ。

「に…兄さん…」
「シッ…黙ってろ」

そう言って壁にロロを押しつけると、キスをしながら全身を撫でる。

「んっ…ぅ〜///」

声が漏れるのを我慢している姿は、ベッドで見るよりも艶っぽく可愛らしい。

「うぅ〜こんなトコで…兄さんの意地悪ι」

笑いながら制服の上着の中に手を滑り込ませると、感じやすいロロはくすぐったそうに身体をよじらせていた。

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「ねぇ…兄さんは僕が好き?ナナリーよりも?…兄さんの家族は、僕だけだよね」

身体に触れてくる兄の手だけは許せるんだ…。

ちょっと前までは、教団の道具として人の心を持った事が無かったのに。

僕は 【兄さん】 という存在と出会ってから、人を愛するという”自由”を知った。

”好き”だけじゃ足りないんだ…兄さん。

もっと、もっと…深い要求が自分を支配しつつあった…。

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