《MUMEI》

「ん…///」

ルルの手を握ると、ほんの少し帯びた熱が伝わってきた。

「久しぶりに…なぁ、お前んトコがダメなら俺の部屋に来ない?」
「え…ぁ…///」

最近、甘えん坊な弟にルルを取られてしまったから、俺もそろそろ限界だ。

もう一度キスしようと顔を近づけると、ルルがそれを遮った。

「何だよ…」
「…兄さん」

声がした方を振り向くと、ヘーゼル色の髪をしたロロが今にも泣きそうな顔で立っているのが見えた。

「ロロ…」

今にも泣きそうな顔をしたロロがルルの袖を握り、だだっこのようにルルを引っ張る。

「やだ…やだっ、兄さんは僕だけのなんだからぁ///」
「お前のだけじゃないって言ったろ〜」

俺もロロの真似をしてルルの袖を俺も引っ張ってみた。

「お前ら…」

両袖を掴んでイヤイヤ合戦をしていたら、ルルのイライラのリミットが吹っ切れたみたいで『いい加減にしろお前ら!』と一喝すると、両袖の俺達を振り払い、怒って部屋に戻っていってしまった。

「スザクのせいで兄さんが怒っちゃったじゃないかぁ…ι」
「そうか…なぁロロ♪」

半べそなロロの頭を撫でると、抱き寄せてそっと耳打ちした。



ルルの部屋に二人でこっそり忍び込むと、シャワールームから水の音が聞こえてきた。

「お風呂なのかな…」
「…っぽいな」

シャワールームの扉を開けて覗き込もうとしたら、その床に着ていた制服が脱ぎ散らかされていた。

「何だよだらしないなぁ…」

そう言いながら振り向くと、ロロが当たり前のようにその制服を片付けていた。

「…そういう事ね」

その横で、俺も着ていた制服を脱いでいった。

「な、何してるんですか///」
「何って、ロロも一緒にシャワー浴びよう」

そう言って恥ずかしがってるロロの制服も無理矢理脱がすと、ロロの手を引いてシャワールームのカーテンを開けた。

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