《MUMEI》
t e n s i o n
「位置について、よーい‥‥」


―パーンッ!!




ピストルの音がグランド中に響き渡る。




「紗稀ちゃん!!7秒ジャスト!」


「よっしゃっ!!」




拳を空へ高く突き出した。




―今日の陸上部の練習も終わりへと近付いてきた。




「やっぱ紗稀速いよね〜」


そう言って、お茶を渡す同じ短距離の先輩。



「先輩には及びませんよ〜」



先輩からお茶を受け取ると
あっという間に飲み干した。

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