《MUMEI》

「次の人!位置ついて」


先生の声が響き渡る―。
陸上部の走り込みは続く。




―紗稀は、顧問や先輩から
“足に負担かけすぎ”って言われたので、今日は練習終了。







すると、隣に居た先輩が





「あっ、サッカー部、紅白戦するみたい」




―先輩のひとことで周囲の雑音が紗稀の耳に一気に入ってきた。



今まで“走る”ことに集中してたから。‥‥雑音なんて耳に入らなかった。





紗稀は、サッカー部の練習を
フェンス越しに見学した。

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