《MUMEI》

ワインセラーを後にして階段を駆け上がる私を――…



スネオ「しずかちゃん、待ってくれ!


…違うんだ!僕の話を聞いてくれ〜!」



スネオさんのすがるような涙声が追いかけてきたのよ…。



――…ペッ!



私は1階に上がると、スネオさんとのキスによって口内に送りこまれた唾液を吐き出したの。



そして清純な役処を演じ終えた女優が、舞台袖に引き上げて本性を現すように――…



…私の顔に歪んだ笑みが吹き出したのよ!



しずか『出来杉さん――…』



*出来杉『上手くいったようだね?』



出来杉さんは私の満足気な思念波から、スネオさんを追い詰める策略が成功したことを察していたわ。

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