《MUMEI》
触手
朝、私が目を覚ますと、まったく知らないコンクリートの部屋にいた。
周りを見渡してみると、端っこに丸い穴が…

しかしその穴は人の握りこぶしほどのものであって、通ることはできない。

今の季節は冬。
コンクリートの部屋は寒かった。

「寒い……どうしよ…」

私は思わずそう声を漏らしていた。
その時。


─ニュルッ─


何かが出てくる音がした。
思わず私は穴の方角をむいた。

「ヒッ…イヤッ」

そこからは…ヌルヌルのピンク色をした、触覚が出てきていた。
きもちわるい。

そう思うのも無理はなかった。
その中の一つがブーーッと小刻みに揺れていたり、男性の、性器のような形をしたものがあったからだ。

しかし私のそんな気持ちに構わず、触手はこちらに近づいてくる。

「あ…あぁぁ…いや…なんなのよ…」

私は怖くて、気持ち悪くて、後ずさりしたが、壁に突き当たってしまった。
そして、触手が私の足に触れた。

─ニュルッ─

「ヒッ…」

絡みついてきた。

その触手はそのまま私の足から太もも、そしてついにはワレメに…



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