《MUMEI》

     観客席



「だぁぁぁぁッ!!!!!」



「なんだそりゃッ!!!!!」



「お…おしぃぃ…」



「おしいなんてもんじゃね〜よ!!」



「えぇッ!?」
(何であたしが怒られてんの!?)



「まぁそう怒んな。
今のはあのキーパーが上手だった。」



「ん゙…まぁ…な。」



(ダメだ…あたしさっぱり付いてけてない…


皆もう…


今の状況をとっくに理解してるんだ…)
















………………………………



………………………………



    赤高ベンチ



「やる…ねぇ…」



「あと…もう少しなのに…」



(勝ってるとはいえ…


安全圏内…とは言えないのが現状だよな…


しぶとく食らい付いてくるなぁ…


クロさんに…これ以上何か策はあるのか…?)



現状を理解する千秋。


いつひっくり返ってもおかしくないこの状況は、


あまりにも心臓に悪かった。



「…」



クロは、
黙って試合を見るだけであった。



(その先は…もう知らないよ。


だけど間違いなくそれが最後の壁。


それを打ち破ることさえできれば…僕たちの勝ちだ。


越えろ。


僕の期待と…想像を。)

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