《MUMEI》

     コート



「はぁ…はぁ…」



全速力で自軍コートへ戻った赤高。


この時間帯、


息が整うのにも時間がかかった。



「わ…わり…」



村木に謝る峰田。



「…いや、いい。」



先のプレー。


左45に得点を許したあの瞬間、


村木の視界にシューターは映ってはいなかった。


シュートを阻止しようとした峰田が視界を妨げた為である。



(参ったな…)



ユキヒロが頭を悩ませる。



「クロさんの作戦通りなら今の速攻は入るはずだったんだけど…」



「わり…」



謝る関谷。



「いや、責めてんじゃね〜よ。


あのキーパーがあそこまで強気だとは思わなかったしな…


けど…


今後もあれを続けられるとなると話が変わってくるな…」



「さらに…何か対策がいるっすね。」



割って入る椎名。


話しながらも彼らはコート中央に向かう。



「…次俺。」



「え?」



「次…俺にボールくんねぇかな?」



そう言ったのは日高だった。



「そりゃいいけど…」



「…考えがあるんだ。」



「…あん?」

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