《MUMEI》

「ピッ!!」



審判の笛が鳴る。



「1本行きましょうッ!!」



「おぅッ!!!!!」



赤高の攻撃。



(2点差…残り時間は10分を切ってる…)



キュキュッ…!!ヒュッ…!!



(焦るような局面ではまだない。)



キュキュッ…!!ヒュッ…!!



(ゆっくり時間をかけて1本とればいい。)



キュキュッ…!!ヒュッ…!!



(と…向こうは思うはず。)



キュキュッ…!!ヒュッ…!!



セオリー。


であればここは時間を使い1本決めたい場面。


だが、


安全圏内でない以上赤高も時間の余裕は欲しい。


最悪のケース。


つまり逆転を許してしまった場合、


こちらが再び逆転をするだけの時間は残しておきたい。


今の時間からでは逆転されてから再び逆転するというのは正直厳しい物があるが…


不可能と断定するのにもまだ早い時間。


椎名はここで、


1つの決断をする。



(ユキヒロさんのロングだ。


決めれば相手にプレッシャー。


外してもロングからならカウンターを食らう確率は低い。


時間に余裕も欲しいし、


やっぱりここは…)



チラッ…



「…」



(了解。)



(ユキヒロさんのロング。)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫