《MUMEI》

「そっ…………」



「こおぉぉぉぉッ!!!!!!!!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



鳴り響く大歓声。


既に両サイドは走り出していた。


当然、
要兄弟もこれを追う。



「はぁ………はぁ………」



(ダメだ…こいつらマジで速くなってる。


この時間帯に…


何でスピードが上がんだよッ!?)



日高・関谷は要兄弟のスピードを上回る。


速攻には十分な状況が出来ていた。



「うぁぁぁぁッ!!!!!」















………………………………



『どうだコラてめぇッ!!
これでもまだ文句あっか!?』



『…たかだか500メートルで倒れ込むなんて体力なさすぎ。』



『ぐっ…!!』



ボソッ…
『使えねぇ…』



『て・めぇ〜は…』



『速攻?の展開になった時、』



『あ?』



『俺のパスが欲しいならもっと体力つけろ。』



………………………………














ビシュッ!!



「決めろ日高ぁッ!!!!!」



村木の手からロングパスが投げられる。



「はぁ………はぁ………」



弧を描くボールは、
日高が走り込むであろう位置へと向かっていた。



(させね〜よッ!!)



ダッ…!!



「ッ!?」



これを阻止する為、
同位置へ走りだす上野。



(来やがったか…!!)



日高・上野。


2人がほぼ同じ位置につくタイミングに、


ボールはそこへ落ち始めた。

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