《MUMEI》

     コート



「でかした日高ぁッ!!」



「たははッ!!」



「マジで狙ったのかッ!?」



「一応…」
(今さらながら良くあんなの狙ったと思うけど…)



「だはぁッ!!
何でもいいわでかしたッ!!」



既に、
赤高は試合に勝利したかの騒ぎであった。


実際、
この1本は試合を動かす大きな1本だった。



「はぁ………はぁ………」



(これは……)



チラッ…



後半24分38秒。23対20。



(まずい…な…)



秀皇の選手陣からは明らかな疲労…


そして諦めの様子が感じ取られた。


だが…



「まだだッ!!!!!」



まだこの状況下でも試合を諦めきれずにいたのは、



「まだ終わってないッ!!」



近い将来、
秀皇の名を背負って立つ若きエースだった。



「市原…」



「あと5分…十分時間はあるじゃないすかッ!!」



「…」



残り5分弱。
最後の攻防が始まる。

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