《MUMEI》

しずか「――………。」



私は、差し出されたその手に頼ることなく立ち上がった…。



そして、衣服についた土埃を払い落とすこともなく――…



しずか「ゴメンなさい!…サヨナラ!」



…突然、彼に背を向けて走り去ったの…。



ドラミ「――…しずかさん……?」



そう呼びかけるドラミちゃんの声も無視して、私は彼女の目前を無言で走り抜けるだけだった。



ただ――……



私は、悲しそうに……辛そうに目を閉じる様子を、ドラミちゃんに見せつけることを怠らなかった。

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